こんにちわ、ネオ(@InvestNeo)です
今回は、そんなテーマについて書きました
最近、米ワシントン大学が出した“2100年における世界の人口と各国の経済力”を予測した研究報告の内容が大変興味深かったので紹介したいと思います
これによると、今世紀半ば以降、これまで増加の一途をたどってきた世界人口がついに減少に転じる可能性が高いとのこと
これにより、地政学的情勢や経済情勢が大きく変化していきそうです
それでは、順番に見ていきましょう
Contents
世界人口推移
人類の歴史が始まって以来、世界の人口は緩やかに増加を続けてきましたが、産業革命を経た19世紀後半から、人口爆発と言われるほど驚異的なスピードで増え続けています
世界では、1日になんと22万人、1分で156人のペースで増え続けています
そして現在、世界人口は約77億人[1]2019年時点に到達しています
研究チームによると、今後世界人口は次のようになると予測しています
・世界の総人口は2064年に約97億人でピークを迎える
出典論文:文末にまとめて記載
・その後、2100年にはおよそ88億人に減少する
・日本、タイ、イタリア、スペインを含む23か国で人口が50%以上減少する
国連の予測[2]UNIC 世界人口推計2019年版:要旨では、2100年に世界人口は110億人で頭打ちとなるとしているので、それと比較すると世界人口のピークがかなり手前でくることになります
これは、出生率に関する見通しの差によるもののようです
いづれにしても、今後教育水準が上がり、女性の社会進出が増えて出生率が低下することが、人口減少の主要因とされています
この世界的な人口減少は人類が初めて経験するもので、非常に大きな転換点となりそうです
人口減少は、様々な影響を引き起こす可能性があります
ネガティブな影響は、現在の日本が抱えているような高齢化に伴う諸々の問題が、世界レベルで起こることです
ポジティブな影響は、年々悪化の一途をたどる温暖化に歯止めがかかるかもしれないことなどがあげられます
また、2100年における国別の人口ランクは次のようになるとしています
・1位:インド 13.8億人[2017年 2位] → 10.9億人[2100年 1位] ▲21.0%
出典論文:文末にまとめて記載
・2位:ナイジェリア 2.06億人[2017年 7位] → 7.91億人[2100年 2位] +384%
・3位:中国 14.0億人[2017年 1位] → 7.32億人[2100年 3位] ▲47.7%
・4位:アメリカ 3.25億人[2017年 3位] → 3.36億人[2100年 4位] +3.3%
・5位:パキスタン 2.14億人[2017年 5位] → 2.48億人[2100年 5位] +15.8%
〜
・38位:日本 1.28億人[2017年 10位] → 0.60億人[2100年 38位] ▲53.1%
ナイジェリアの伸びが凄まじいですね
また、インドと中国も人口の上位をキープしてますが、2100年には既にかなりの減少に転じていることが分かります
アメリカは、2062年には3.6億人まで人口が増加した後、人口減少と移民政策の効果で3.4億となるようです
次のグラフは、生産年齢人口[3]生産年齢人口:20歳から64歳までの個人と定義の予測推移になります
生産年齢人口は、中国は現時点で既にピークをすぎており、インドは2040年すぎにピークを迎えそうです
各国のGDP推移
研究チームは、これらの人口推計をもとに各国のGDPを見積もりました
生産年齢人口の予測からGDPの予測を算出し、2017年から2100年までの上位25カ国のGDPの順位変化が次のようになります
・現在1位のアメリカ、2位の中国の順位は、2035年には逆転
出典論文:文末にまとめて記載
・2050年以降の中国の急速な人口減少や移民に支えられ2098年には再びアメリカがトップに
・日本の人口は大幅に減少するにもかかわらず、順位を1つ落とした4位をキープ
・人口が急増するナイジェリアは、28位から9位に急浮上
これを見ると、今後、現在の主要先進国に加えてインドやナイジェリアの影響力が増し、世界はより多極化したものになりそうですね
また、現在の主要先進7カ国[4]主要先進7カ国:アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ、イタリアは、イタリアを除いて、順位の差はあれどそれなりにGDPをキープしているのがわかります
まとめ
以上から、今後の世界経済の変化による長期投資への影響は以下のようになります
・2064年頃から世界人口の減少が起こり、大転換点となる
ポジティブな影響:温暖化による問題に歯止め
ネガティブな影響:世界規模で高齢化に伴う諸問題が発生
・今後、インドやナイジェリアの影響力が増し、世界はかなり多極化が進む
・アメリカは引き続き有望な投資対象として君臨
・イタリアを除いて、主要先進7カ国はGDPの上位に存在し続ける
現在20代の方は2060年、30代の方は2050年頃に定年を迎えるので、今後世界が向かうベクトルを確認する上で、非常に参考になるでしょう
これらの情報をふまえ、私は引き続き米国ETFと米ドル円の長期投資を続けていきたいと思います
出典論文:The Lancet Stein Emil Vollset, et al., Fertility, mortality, migration, and population scenarios for 195 countries and territories from 2017 to 2100: a forecasting analysis for the Global Burden of Disease Study
https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(20)30677-2.pdf
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References
長期投資をするにあたって、今後の世界経済がどうなるか気になるなぁ
長期投資にどんな影響があるかな…